今日の「きれい学」おススメの1冊
『脳を活かす勉強法』PHP |
こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは脳科学者、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャーの茂木健一郎氏の『脳を活かす勉強法』です。超難関校の東京藝術大学付属高校から東京大学に進学した著者は、子供の頃から秀才だったわけではないそうです。小学校、中学校、高校とそのつど入ったときは上の下程度の学力であったのが、勉強のコツを掴んだことで、途中から1位を獲得し続けることに成功しています。その成功法則とは、実は脳の効率的な活用の仕方にあったのです。受験勉強をしなければいけない子を持つ親はもちろんのこと、社会人であっても新たな知識を記憶にインプットする極意は知りたいところです。脳に“報酬”を与えながら快感のうちに勉強を進めていくという、全く新しい勉強法です。勉強が嫌いな人も、勉強を好きになる方法論が展開されていますので、必読の1冊です。
アンダーラインポイント
人間の脳は「ある行動をとったあと、脳の中で“報酬”を表す物質が放出されると強化する」という性質を持っているのです。つまり、報酬を得て喜びを実感できた行動を再現し、繰り返したくなる。結果、その行動に熟練していくというわけです。そのカギを握っているのは「ドーパミン」という物質です。
ドーパミンは神経伝達物質のひとつで、「快感」を生み出す脳内物質として知られています。この分泌量が多ければ多いほど、人間は大きな快感、喜びを感じることが分かっています。
大切なのは、ドーパミンによる強化サイクルが回るかどうか。この回路さえ回り始めれば、あとは簡単です。
そもそも、脳の働きの本質は「自発性」です。脳に何かを強制することは、とても難しいのです。脳はポジティブな期待やほめられた体験を、とてもよいものとして受け止めます。
中学生になると、さらに「タイムプレッシャー」を意識して勉強を進めるようになりました。数学の問題を解くにしても、国語の文章問題を考えるにしても、時間を計ってなるべく短い時間で終わらせる。そして、次にやる時は「あと3分早く終わらせよう」と、少しずつ制限時間を短くしていったのです。こうして身についたのは、高い「集中力」です。
つまり他人と自分を比較することでは脳は喜びません。そして「喜び」のない学習は、どんなに努力しているつもりでもなかなか身につかないものです。
脳のメカニズムから考えれば、自分と他人を比較することはデメリットだらけなのです。大切なのは、自分自身の「喜びの感覚」です。
次に「分量」です。
これは学習の作業量を多くする、という意味です。集中力を持続させるには、「ずっと何か作業している」状態をつくることが必要なのです。ボーッと考えているのではなく、とにかく忙しくやる。スピードを上げながら、制限時間の中でできる分量を増やしていくのです。
三つ目は「没入感」です。
集中力を発揮して勉強している時の自分がどんな状態にあるか、思い出してみてください。勉強にのめりこみ、勉強と自分が一体になる感覚はありませんか。
思い立った時に、パッと勉強に入ってしまえばいいのです。そして、勉強を始めたら瞬間的に集中する。これが、忙しい現代社会に生きる僕たちにとっての効果的な勉強のしかた、「瞬間集中法」です。
教科書を開いた瞬間、いきなり集中して勉強を始めるという「細切れ勉強法」も効果的です。
とにかく大量に読み、大量に書き、大量に聞いて、大量の問題を解く。これが、脳に記憶を定着させる唯一の方法なのです。
これからの時代、大切なのは「ものごとを記憶すること」ではなく、記憶した知識をどのように使うかだと思うからです。
目次
はじめに
第1講 脳は「ドーパミン」と「強化学習」が好き
第2講 「タイムプレッシャー」が脳の持続力を鍛える
第3講 「瞬間集中法」で勉強を習慣化させる
第4講 茂木健一郎流「記憶術」
第5講 茂木健一郎の「読書のススメ」
第6講 脳のコンディションを把握しよう
第7講 自分を変える「一回性」に巡り会うには
第8講 偶有性がさらなる脳の発達を促す
おわりに 知の「オープンエンド」時代がやってきた!
没入感を味わえる勉強をしてみたいですね。 |
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