タキシードとは男性の夜の準礼服のことを言います。シルクが施されたショールカラーのジャケット、黒いシルクサテンのボウタイ、プリーツの入ったシャツが基本であり、パンツには側章が1本入っています。元々は夜の準礼装とされていましたが、本来の正礼装である燕尾服がもはや前時代的なものへと変わり、近年では正礼装もタキシードというのが一般的になってきています。また、夜のみの礼装ではなく、昼からの着用も可能になってきています。ブラックタイと言うのはタキシードのことを指すため、招待状に「ブラックタイ」と記されている場合はこれを着用して行きます。タキシードというのはアメリカの呼び方であり、イギリスではタキシードとは言わずディナージャケットと呼ばれます。
■タキシードの最も正式な着方
ジャケット: 黒無地のタキシードジャケット。シングル、ノーベンツ、鼓釦一つ掛け。襟はショールカラー(ヘチマ襟)とピークドラペルのどちらでも良いのですが、ショールカラーがオーソドックスな形のものを着用するようにしましょう。
ズボン: 脇の縫い目に沿って側章(ブレード)が縫い付けられているもの。
シャツ: 立襟(立カラー)・ヒダ(プリーツ)胸・両穴本カフスシャツまたは、立襟・イカ胸・両穴シャツ。
タイ: 黒の蝶ネクタイ。素材はシルクサテンのもの。
カマーバンド: 黒無地。ダブルのタキシードの場合にはカマーバンドは不要となります。
サスペンダー: 黒を使用。ベルトは使用しません。
カフスボタン: ブラックオニキス、または黒蝶貝を。
ポケットチーフ: 白のチーフをスリーピークにたたんで胸ポケットに挿します。麻または木綿素材の物を使用します。
靴: 黒の短靴(ひも無しのもの)。皮製またはエナメル素材のものを。
手袋: 白の綿素材の手袋。甲の部分に三本のピンタックがあるもの。
タキシードの始まりは、1886年10月10日です。この日にニューヨークのタキシード・パーク倶楽部の正装舞踏会において、全員が燕尾服(テール・コート)を着ている中で、グリスウォルド・ロリラードという人物が着てきた真っ赤なスモーキングジャケットがタキシードの始まりであると言われています。実際には彼が燕尾服に着替えるのを忘れ、部屋着の尻尾の無い服(テールレスコート)のままで、控室からホールに出て来てしまったのが事の真相だそうで、これはタキシード事件と呼ばれています。 |